第16回上地流空手道協会東京大会のプログラムに寄せられた、宗家上地完明先生のごあいさつが、
我々の稽古の取り組みにとって貴重な内容でしたので、ここに転載します。
本日、ここに上地流空手道東京大会が開催されるにあたり謹んでごあいさつを申し上げます。
まず、年末のお忙しい時節に大会開催へのご協力に感謝申し上げます。
さて、たたいて鍛える上地流空手道の特質について私は機会あるたびに述べているところですが、すなわち上地流空手の真髄・奥義は基本型「三戦」にすべて集約されます。
空手道の源流は仏教にあるとされています。
仏教はインドの釈迦が菩提樹の下で静観をこらし大悟して成道したことが始まりとされ、このとき釈迦は徹底して呼吸のありようをきめたといわれます。
心をこめた呼吸を積み重ねてゆけば、意が呼吸とひとつになって離れなくなり、心が呼吸になりきってしまう「心息身の合一」これが三戦の中に秘められているのです。
三戦をくり返し練習しているとごく自然に調心・調息・調身が身につき、物事の変化に的確に反応できるということです。空手道の精神性からいわれるゆえんです。
西紀前5世紀に始まった仏教ですが、空手道の淵源は仏教とともにその歴史を刻みはじめたことになります。
基本型三戦は武道空手に必須の[体]と[技]をつくり、合わせて呼吸法を通して精神性を高める「心練」へと発展します。
姿勢を正し「肩下げ・腹しめ・尻しめて」を一体化して三戦の基本をしっかり念頭において、三戦の内奥から多くのことを感じとってくれことを宗家は望んでいます。
本日の大会をとおして、お互いが切磋琢磨し正しい、上地流空手道が普及されることを切に希望いたします。(上地2013.12.8)