越の修武録 令和編

上地流空手道宗家直系春日山修武館 令和元年からの活動記録です。

上地先生の思い出

 明日から合宿ですが、上地先生の思い出を。

 私のなかの完明先生は、やはり私が沖縄で修行に明け暮れていた頃の完明先生です。完明先生の普天間の道場は、空手練習というよりも、厳然たる鍛練の場であり、それは想像を絶する鍛えの毎日で、痛く厳しく激しいものでした。普天間の稽古時の完明先生の笑顔は記憶にありません。その稽古に完明先生の空手人としての人格が顕れていると思います。


   帰郷後、私が春日山で道場をはじめると、新潟に大会、合宿、審査など幾度も訪れていただき、ご指導・ご後援を賜りました。
 道場を運営していくうえでの先生のアドバイスに、時に私はそうは思わないということが幾度かありました。しかし、後にはことごとく先生のおっしゃる通りであり、後になって幾度も感心したことがあります。また、私にしか話さなかった事柄かもしれませんが、世の諸相ことごとくそうであり、完明先生のいわゆる観る眼は、まさに慧眼でした。試合に向けて練習する私の組手をみて、「それでは相手を可愛いがっているだけだ」とこぼされたことも、今私の弟子達をみるにつけ、その想いがわかるような気がします。


  沖縄の稽古では、常に厳しい表情でしたが、新潟の合宿で指導される完明先生は、終止笑顔で、 奥様共々「新潟は第二の故郷」「新潟にもうひとり息子がいる」と、深く暖かい御厚情を賜りました。


新潟の上地流空手道は、完明先生の厳しさだけではなく、沖縄では見せなかった暖かい人柄に包まれながら、ここまで育てていただいたのです。


イメージ 1平成15年三月春日山道場昇段審査

平手構えをつかって間合いを計る教授










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平成10年10月
上地流ヨーロッパ訪問団
ベルサイユ宮殿にて

前列中央が宗家
後列右から三人目が私







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平成13年10月松代合宿
中央 宗家ご夫妻。
ご子息完尚・完司両師範をともなって、ご指導いただきました。